オーストラリアは物価が高いって本当?
留学やワーホリには、どのくらいお金が必要?
オーストラリアで暮らしたら、1ヶ月にどれくらいお金がかかる?
広大な自然が魅力的なオーストラリア。
最近では、高所得を稼げる国としても注目されていますね。
でも、実際に住むことを考えると、「物価が高すぎて無理なのでは…」と思う方も多いのでは。
そこで今回は、オーストラリアの1ヶ月の生活費と内訳、節約術などをお届けします。
この記事は、シドニー郊外在住で主婦をされている方にリアルな情報をまとめていただきました。
人生の選択肢を広めるうえで、まずは一度この記事を参考にオーストラリアでの暮らしをシミュレーションしてみましょう。
※日本円への換算レートは1AUD=96.8円(2024年1月現在のレートの過去90日の平均)を基準にしています。
オーストラリアでの1ヶ月の生活費は219,000円
オーストラリアでの生活費は、1ヶ月当たり約219,000円が目安です。
これは単身あるいは少人数世帯向けの物件を2人でシェアした場合の生活費です。
内訳は以下の通りです。
【オーストラリア(シドニー郊外)での1ヶ月の生活費内訳】
- 家賃(シェアした金額):1,160AUD(112,288円)
- 水道・光熱費:150AUD(14,520円)
- 食費:650AUD(62,920円)
- 日用雑貨品:75AUD(7,260円)
- 通信費:75AUD(7,260円)
- 交通費:150AUD(14,520円)
合計:2,269AUD(219,000円)
オーストラリアの物価はシドニーが一番高く、地方都市では若干安くなるため、少し都市部から離れても良いという方は、もう少し安く抑えることができます。
ホームステイをする場合は食費、光熱費などが抑えられ、全体としてはコストダウンできますが、一般的にホームステイを受け入れている家は郊外に多いため、交通費が若干高めになる傾向があります。
シェアハウスに住む場合、1人部屋であれば上記のコストより水道・光熱費が節約になる程度ですが、2人同室の場合はだいぶ割安になります。
オーストラリアでの生活費の内訳【各項目ごとに詳しく解説】
続いて、オーストラリアの生活費について、食費や家賃など項目ごとに分かりやすく解説していきます。
住居費(家賃)
オーストラリアの住居費は、平均で週あたり580AUD(約56,000円)です。
1ヶ月(4週間)にすると224,000円ですので、日本の感覚からすると高額と言わざるを得ないでしょう。
オーストラリアでは、結婚と同時に住宅を購入する習慣があり、持ち家率が非常に高く、賃貸物件が圧倒的に不足しています。
もし、住居費を抑えるのが優先課題の場合は、シェアハウスに住むという手もあります。
3ベッドルームなどの一般的な広さの物件を間借りするというものです。
キッチンや居間などを共有する方式で、通常は水道・光熱費が含まれています。
1部屋1人で住む場合、週で170~300AUD(16,450~29,000円)週なので、4週間で日本円換算66,000~116,000円が目安です。
1部屋に2人居住可の物件もありますが、その場合全体の料金が1人で住む場合の2~3割増しだったり、2倍よりやや安い程度だったりと、物件によって差があります。
(2人1部屋でほぼ2倍になるのなら、1部屋に2人で居住するメリットはあまりないのかなと…)
ケースによっては、1人で住む場合とあまり変わらなくなるため、しっかりと見極めましょう。
また、ホームステイの場合は平日2食付き、週末3食付きで、月350AUD(約136,000円)が平均的な費用です。
現地の人との交流を増やしたい場合は、ホームステイという選択肢もありですね。
【オーストラリアの1ヶ月の居住費】
- アパートやマンション:224,000円程度
- シェアハウスの1人部屋:66,000~116,000円程度
- シェアハウスの2人部屋:物件によって、総額が1人部屋の3割~2倍と幅あり
- ホームステイ:36,000円程度
水道・光熱費
オーストラリアの水道、電気料金は3ヶ月ごとに請求が来ます。
水道料金は2人世帯で3ヶ月250AUD(24,000円)程度、単身世帯では150AUD(14,500円)程度かかります。
日本円にすると2人世帯で、1ヶ月約8,000円、単身世帯では約4,800円程度です。
賃貸物件に住む場合は、家賃に水光熱費が含まれてるケースとそうでないケースが物件によって異なるため、契約の際に確認が必要です。
電気代は2人世帯で3ヶ月550~750AUD(53,000〜72,000円)程度です。1ヶ月当たり約18,000~24,000円です。
1人暮らしの場合は、2割程度割高になりますので、日本円にして1ヶ月当たり約10,700~14,500円程度かかります。
食費
食費は、自炊が基本で外食を週1回した場合、2人世帯で1か月1,320~1,520AUD(128,000~147,000円)程度かかります。1人当たり日本円で約64,000~73,500円ほどです。
1人暮らしの場合は、3割程度割高になりますので、日本円で約78,400~91,000円程度でしょう。
外食する場合、1食1人当たり40AUD(約3,800円)ぐらいです。
人件費の高いオーストラリアでは、外食の費用も高めなので、外食の割合が高くなるほど、食費がかさみます。
ちなみにチェーン店の価格を日本と比較すると、以下のようになっています。
項目 | 日本 | オーストラリア |
スタバ(トールラテ) | 490円 | 5.2AUD(約500円) |
ビッグマック | 450円 | 7.55AUD、(約731円) |
日用品
毎日使う洗剤、トイレットペーパー、シャンプーなどの日用品は、2人世帯で1か月150AUD(14,500円)程度かかります。
1人暮らしの場合は3割程度割高になるので、約9,400円ほどを見ておきましょう。
洋服
洋服は高いものから安いものまでピンキリです。
日本と同じように、まとめ買いすると安くなります。
ここではオーストラリアで人気のファストファッションCotton onの価格をもとに紹介します。
【オーストラリアのファストファッションCotton onの価格】
・Tシャツ、カットソー1枚:20AUD(約1,940円)
・Tシャツ、カットソー1枚 :2枚35AUD(約3390円)
・Tシャツ、カットソー1枚 :3枚45AUD(約4,360円)
・ジーンズ60~80AUD:(約5,810~7,740円)
携帯料金
携帯電話の通信費は1ヵ月30~40AUD(約2,900~3,900円)ほどです。
料金は通信会社、ギガ制限、無料通話(国内、国外)の制限によって変わってきます。
自宅のネット代
インターネット代は、1ヶ月あたり60~80AUD(約5,800~7,740円)程度です。
接続スピードによって価格が違うので、安いパッケージだとスピードはやや遅くなります。
交通費
続いて、移動手段の費用について解説します。
タクシー
タクシーの料金は、都市によって若干の違いがありますが、シドニーの料金をご紹介します。
【オーストラリア・シドニーのタクシー料金】
- 初乗り:3.6AUD(約350円) ※週末の夜間は2.5AUD(約240円)加算
- 1kmごとの料金:2.19AUD(約210円) ※夜間は2.63AUD(約250円)
- 予約料金2.5AUD(約240円)
電車
電車の運賃は都市によって違いがあり、地方都市は若干安いです。
ここではシドニーの料金を紹介いたします。
【オーストラリア・シドニーの電車料金】
- 10kmまで:3.79AUD(約370円)
- 20kmまで:4.71AUD(約460円)
- 35kmまで:5.42AUD(約520円)
- 65kmまで:7.24AUD(約700円)
- 65km以上:9.31AUD(約900円)
上記はICカードを利用した場合の通常料金で、ラッシュ時間を外すと30%割引されます。
物価が高いオーストラリアですが、電車料金は日本よりも安いですね。
バス
バスの運賃も都市によって違いがあります。
ここでもシドニーの料金を紹介いたします。
【オーストラリア・シドニーのバス料金】
- 3km未満:2.65AUD(約260円)
- 8kmまで:4.30AUD(約420円)
- 8km以上:6.5AUD(約630円)
嗜好品(タバコ・お酒)
オーストラリアのタバコは、20本入り一箱45AUD(約4,400円)と非常に高額です。
これは世界でもトップクラスの煙草税がかけられているためです。
それに比べてお酒は安いとは言えないものの、タバコと比較するとリーズナブルな価格です。
缶ビール375mlは1本3.8AUD(約370円)、ケース単位で買うと2.75AUD(約270円)ほどで購入できます。
ですが、パブやレストランで注文した場合は、12AUD(約1,160円)ほどと結構高めです。
【オーストラリアでのお酒の値段】
- 缶ビール375ml1本:3.8AUD(約370円)
- 缶ビール375mlをケースで買った場合の1本の値段:2.75AUD(約270円)
- ビールをパブやレストランで注文した場合:12AUD(約1,160円)
医療費・健康保険
オーストラリアには日本の健康保険に相当するメディケアという制度があり、オーストラリア国籍及び永住権保持者は加入できます。
メディケアへの加入には課税所得の2%が徴収され、GP(General Practitorの略で、どんな疾患でもまず最初に診察してもらう医療機関)あるいは、公立の医療機関での医療が無料になります。
それ以外の医療に関しては15%の自己負担となっています。
メディケアに加入していない場合、例えば風邪などの軽い疾病で医療機関にかかると100AUD(約9700円)程度、入院した場合は入院1日当たり910AUD(約88,000円)程度かかります。
オーストラリアの滞在期間が6か月未満の場合、日本の海外旅行保険で医療費をカバーすることができます。
その場合の保険料は一か月当たり約20,000円程度です。
日本と比較して高いもの・安いもの
物価が高いオーストラリアですが、中には日本より安いものもあります。
ここでは、日本と比較して、値段差が目立つものを解説していきます。
日本と比較して高いもの
オーストラリアと日本で比較して、値段の高さが目立つのは下記です。
【オーストラリアで高いもの】
- 外食費
- 家賃
- タバコ
人件費の高いオーストラリアでは、日本と比較して外食費が高いです。
また、家賃が高い理由は、全般的に賃貸物件が不足気味のためです。
日本と比較して安いもの
食料自給率の高いオーストラリアでは、旬の果物や野菜を日本より比較的安価に購入できます。
また、入場無料で展示物を鑑賞できる美術館、博物館などが多いので、旅行費用を抑えることができます。
節約(生活費を抑えるためのコツ)
続いて、物価の高いオーストラリアで、生活費を抑えるコツを紹介します。
外食のコツ
オーストラリアは外食が高いので、外食を控えて自炊するとかなり節約になります。
ただ、やっぱりたまには飲みに行きたい…
そんなときには、ハッピーアワーです。
オーストラリアでは、本格的にお客さんが入り始める少し前の午後4時~7時ぐらいまで、ハッピーアワーでドリンクが半額になったり、フードが割引になったりするハッピーな時間が設定されている飲食店が多いです。
買い物のコツ
買い物する場所によっても、コストは変わります。
オーストラリア在住の節約主婦としては、Aldiがイチオシです。
Aldi以外には、市場、アジア系、アラブ系スーパーなども狙い目です。
また、新しく家電を購入する際には、消費電力を抑えるenergy saverの表示のあるものを選ぶと電気代の節約になりますので、チェックしてみてください。
オーストラリアに旅行する場合の費用
オーストラリアに11日間(10泊)の旅行をした場合のおおよその価格は、約324,000円です。
(ホテル、タクシー代はふたりでシェアした場合の1人分の料金を基準にしています)
渡航シーズンや航空券の値段等で大きく変わりますが、以下が各項目別の料金です。
【オーストラリア11日間旅行の費用】
- 航空券(往復):100,000円
- ホテル代(10泊分):96,800円
- 交通費:24,200円
- 食費:87,000円
- SIMカード:1500円
- 観光料:14,500円
日本からオーストラリアへの往復航空券は約8~13万円程度で、平均的な価格が10万円です。
ホテル代はスタンダードクラスで、観光地への入場料については平均30AUDを5ヶ所まわったケースの試算です。
ホテル代
オーストラリアのホテルのグレードと相場は以下の通りです。
料金はツインシェアの1室1泊あたりのものです。
【オーストラリアのグレード別ホテル料金相場】
- ラグジュアリー(国を代表する高級ホテル):500~1300AUD(約48,000~126,000円)
- デラックス(大手ブランドホテル):300~700AUD(約29,000~68,000円)
- スーペリア(中流ホテル):250~350AUD(約24,000~33,900円)
- スタンダード(ベーシックなホテル):100~300AUD(約9,700~29,000円)
- エコノミー(ドミトリーや必要最低限の設備のホテル):60~200AUD(約5,800~19,000円)
観光地の入園料
観光施設への入場料は、30~50AUD(約2,900~4,900円)程度が相場です。
主要な観光スポットの入場料は以下をご参考ください。
【主要な観光スポット入園料】
- シドニーのタロンガ動物園シドニーの入園料
大人:46AUD(約4,450円)
子供:26AUD(約2,500円) - スカイポイント展望台の入園料
大人:31AUD(約3,000円) ※土日祝日は36AUD(3,500円)
子供:23AUD(約2,200円) ※土日祝日28AUD(2,700円)
食事代
食費は1人当たり1日80~100AUD(約7,700~9,700円)くらいでしょう。
オーストラリアでの朝食は、一般的なカフェで10AUD(約970円)程度。
ちょっとおしゃれなカフェやホテルのレストランになると、ランチで18~25AUD(約1,700~2,400円)ほど、ディナーでは、およそ40~60AUD(約3,900~5,800円)程度かかります。
その他の費用
オーストラリアで使えるSIMカードは、1週間7AUD(約680円)程度からあります。
それよりも長いプランだと28日間で15~40AUD(約1,500~3,900円)ほどです。
SIMカードは空港や市中の携帯ショップなどで購入できます。
交通費は空港から市内までのタクシー往復100AUD(約9,700円)と、1日あたり平均20AUD(約680円)程度見ておけば問題ないでしょう。
オーストラリアの物価の現状
オーストラリアの四半期ごとの消費者物価指数(前四半期と比較した物価)は、2018年から2020年までは四半期につき1%以下の上昇率でした。
しかし、2022年は第一から第四四半期を通じて1.8%程度の上昇、2023年の第一から第三四半期までは1.1~1.2%の上昇率となっています。
物価の上昇はやや鈍化傾向にあるものの、依然として四半期に1%程度の上昇となっています。
日本とオーストラリアの所得比較
生活において重要な所得についても、日本とオーストラリアを比較してみました。
最低賃金
日本の最低賃金は1,004円(全国平均)ですが、オーストラリアの最低賃金は2023年7月より23.23AUD(約2,250円)と2倍以上です。
所得の差は、人件費という形で商品の価格にも反映しています。
大卒初任給
オーストラリアの平均的な大卒初任給は約5,417AUD(約524,000円)です。
日本の210,200円と比較すると約2.5倍と、ここでも大きな開きがあります。
平均所得
オーストラリアのフルタイム就業者の年収の平均は、74,293AUD(約719万)です。
日本の平均年収の461万円と比較すると、約1.6倍と大きな差があります。
まとめ
今回は、シドニー郊外の実際の在住経験をもとにして、オーストラリアの生活費について解説しました。
オーストラリアは、自然豊かで観光地として人気がある国です。また、最近では高所得を理由に、働きに行く方も増えています。
この記事を読んで、イメージができた方は、まず実際にオーストラリアに足を運んでみましょう。
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