香港は生活費がとても高そう…
香港で暮らしたら、1ヶ月にどれくらいお金がかかるの?
香港生活での家賃や食費はどれくらい?
このように香港の物価について、気になる方もいるのではないでしょうか。
「海外に移住したい」と考えた際、まず現地での生活費が分からないと不安ですよね…。
そこで今回は、海外在住歴6年の僕が、香港での生活費について詳しく解説します。
住居費や食費、水光熱費など項目別に詳しく解説し、節約術についてもお伝えしますので、この記事を参考に香港生活をシミュレーションしていきましょう!
香港での1ヶ月の生活費は400,000円程度
香港での1か月の生活費は、ざっくり21,000HKD(400,000円)程度です。
実際に香港に住む知人に聞いた、生活費の内訳は以下のような感じです。
※レートは2024年2月13日の1HKD=19.14円を参考に計算しています
【20代女性 香港在住歴1年の方の生活費内訳】
- 住居費(九龍地区、1DK):12,750HKD(243,000円) / 月
- 食費:3,990HKD(76,000円) / 月
- 光熱費:630HKD(12,000円) / 月
- 交通費:315HKD(6,000円) / 月
- 交際費:1,050HKD(20,000円) / 月
- 通信費:315HKD(6,000円) / 月
- その他:1,050HKD(20,000円) / 月
合計:約20,100HKD(383,000円)
食材をマーケットとスーパーで買い分け、なるべく自炊で節約をしているケースです。
住居費が支出の半分以上を占める点が、日本とは大きく異なりますね。
(これでも住居費の相場からすると、結構安い方です)
20代女性の1人暮らしでも最低30万円以上はかかるので、日本在住者の感覚からすると安いとは言えないでしょう。
中心地に住むか、郊外に住むかでも生活費は変わってくるため、自分の収入に合わせて住む場所を考える必要があります。
香港での生活費の内訳
続いて、香港での生活費を項目別に細かく解説していきます。
住居費、食費など、各項目で自分の生活にあてはまるものをイメージしていきましょう。
住居費(家賃)
香港で1人暮らしをすると、家賃は都市部で30~40万円ほどはかかります。
家族向けの物件の場合は、50万円以上も珍しくはありません。
香港が世界一家賃が高いと言われているのにも納得ですね…
実際の物件例は、下記のような感じです。
1人暮らし向けマンションの家賃例
- 立地:九龍 / 油尖旺区
- 間取り:ワンルーム(家具・家電付き)
- 家賃:17,000HKD(約325,000円)/ 月
- 広さ:256 sq.ft (約23.808m²)
家族向けマンションの家賃例
- 立地:香港島 / 東区(日本人に人気のエリア)
- 間取り:2ベッドルーム(家具・家電付き)
- 家賃:55,000HKD(約1,050,000円)/月
- 広さ:529 sq.ft (約49.197m²)
参考:エイブル物件掲載ページ
引用元:エイブル 香港店
水道・光熱費
香港での水道光熱費の相場は、400~700HKD(7,600~13,400円)程度です。
水道代
水道代は比較的安く、50~80HKD(1,000~1,500円)程度です。
水道水は飲めるとも言われていますが、水道管の老朽化といった衛生面の問題もありますので、現地の方々でも沸騰させて飲む方が多いようです。
電気代
香港の電気代の相場は、260HKD(5,000円)/月程度です。
香港は亜熱帯気候で、湿度が高く暑い季節が長いため、夏はエアコンの使用頻度が増え、電気代も上がります。
夏場は電気代が10,000円を超えるという方も少なくありません。
食費
食費に関しては、実は日本とあまり変わりません。
(物価が高いイメージが強いので、意外なポイントですよね)
実際の値段は下記のような感じです。
日本 | 香港 | |
コーラ | 96円 ※0.35L | 9.59HKD(180円)程度 ※0.33L |
ビッグマック | 450円 | 23HKD(430円)程度 |
水 | 82円 ※0.35L | 8.13HKD(150円)程度 ※0.33L |
水やコーラに関しては香港の方が高いですが、ビッグマックは香港の方がやや安いという結果でした。
食材も日本と比較して大きく変わらないため、自炊を多めにすれば食費を抑える事ができます。
外食をする場合の予算は、以下のような感じです。
- ローカルレストラン:20~70HKD(380~1350円)程度
- 中級レストラン:250HKD(4800円)程度
香港で有名な飲茶やワンタンメンは、40~70HKD(800~1400円)とリーズナブルな値段で食べられますよ。
日用品
ティッシュや洗剤などの日用品値段も日本とそこまで変わりません。
洗濯用洗剤はスーパーで買うと10~50HKD(190~950円)程度です。
また、香港人にも人気のあるポケットティッシュTEMPOは18パック入りで24HKD(450円)程度で売られています。
日用品は、全体的に日本よりやや安いくらいの印象です。
洋服
香港にはユニクロなどの日本ブランドも展開しています。
同じ製品を比べてみると、日本で3,990円のカーディガンが、香港では299HKD(5,700円)程度で売られていました。
僕は、香港オリジナルブランドのジョルダーノというブランドが好きなのですが、Tシャツは1枚1,000円程度からあります。
洋服代は選ぶものにもよりますが、日本と比較して、それほど高い印象はありません。
携帯料金
香港でのひと月の携帯料金は、おおよそ105HKD(2,000円)程度 です。
携帯料金は日本と比べても大きな差は無いですね。
携帯会社は、ChinaMobile、3HKなどが大手としてあり、様々なプランが用意されています。
プラン例は以下のような感じです。
プランA | プランB | |
回線 | 5G | 5G |
ギガ制限 | 20GB / 月 | 30GB / 月 |
契約期間 | 2年契約 | 2年契約 |
料金 | 月々98HKD(1,900円)程度 | 月々124HKD (2,400円)程度 |
プランによっては、中国本土とマカオでのデータ通信量が加算されるものなどもあります。
香港では2年契約が基本で、途中解約すると解約料金が発生するものが多いので、この点は注意が必要です。
旅行の場合は、旅行者用のSIMカードを空港で購入するのが良いでしょう。
5~8日間の使い放題のプランで80~120HKD(1,500~2,300円)程度で購入できるので、大きな負担にはなりませんね。
自宅のネット(Wi-Fi)料金
香港での自宅のネット代は、大体160~260HKD(3,000~5,000円)程度です。
香港で1番大きなインターネット企業、HKT(netvigator)のプランは以下のような感じです。
5G ホームインターネットプラン | Wi-fi7 ホームwi-fi サービス | |
料金 | 168HKD(3,200円程度)/月 | 298HKD(5,700円程度)/月 |
最低契約期間 | 36か月 | 24か月 |
長期契約の方が毎月の支払額が少なく済むため、どれくらい滞在するかによってプラン選択を考えましょう。
交通費
続いて、交通費について解説します。
移動手段のメインとなる、タクシー、電車、バスの料金を順番に解説していきます。
タクシー
九龍と香港島エリアのタクシーは、初乗り(2㎞まで)が27HKD(500円)、以降200mごと、または停車時1分ごとに1.9HKD(35円)が加算されます。
エリアごとでタクシーの値段は変わりますが、日本と比較して料金が安いため急いでいる時や荷物が多いときには便利に活用できます。
電車
香港の電車の料金は、4.5~100HKD(85~1,900円)ほどです。
現在12路線が運行しており、正確で速く、安心して利用できます。
1日乗り放題チケットなどお得な切符も販売されています。
オクトパスという交通系ICを使用するとより便利に利用できますよ。
バス
香港のバスの料金は、4~48HKD(80~900円)ほどです。
香港には、九龍、香港島、城巴、新巴、ランタオ島などに700以上のバスの路線があります。
朝6時から運行していて、24時以降の深夜便もあるので、大体の時間はバスを活用できます。
乗車時の支払方法は、現金や交通ICのオクトパスなどがあります。
嗜好品(タバコ・お酒)
続いて、嗜好品であるタバコとお酒について解説します。
お酒
香港では2008年にアルコール度数30%以下のお酒の税金が撤廃されたため、比較的安くお酒を飲めます。
例えば、香港ビールのamber aleが330mlで24HKD(450円)程度、日本のアサヒビールは330mlで15.9HKD(300円)程度です。
関税上の理由から、輸入のお酒も安く飲めるので、香港でいろんな国のお酒を試すのも良いですよね。
タバコ
タバコに関しては税金が高く、香港で買うと一箱37~45HKD(700円~860)円程度します。
日本から持ち込める上限数は、紙巻タバコで最大19本とかなり少ないため、喫煙者の方にはちょっと厳しいかもしれませんね。
医療費・健康保険
香港には日本のような国民皆保険制度は無く、基本は自己負担です。
香港には公立病院と私立病院があり、医療費の差が大きいと言われています。
保険に入る義務は無いですが、民間の医療保険制度に入る事はできます。
また、香港に居住し香港IDを持っているか否かでも医療費は大きく変わります。
IDの有無、公立病院と私立病院では以下の違いがあります。
項目 | 公立病院(ID有り) | 公立病院(IDなし) | 私立病院 |
入院 | 100HKD / 日(1,900円)程度 | 5,100HKD / 日(97,600円)程度 | 6,120HKD / 日(117,000円)程度 |
外来診察 | 50HKD /日(950円程度) | 445HKD / 日(8,519円程度) | 790~2,210HKD / 日(15,100~42,300円程度) |
事故(緊急) | 180HKD / 日(3,500円)程度 | 1,230HKD / 日(23,500円)程度 | |
注射 | 19HKD / 日(360円程度) | 100HKD / 日(1,900円程度) | 360HKD /日(6,900円程度) |
もし香港IDなしで長期滞在する場合は、医療費が高額になる可能性が高いため、民間の保険に入っておくことをお勧めします。
参考:病院当局:料金と料金
引用元:香港病院ナビ Hospital authority
香港に旅行する場合の費用(3泊4日のモデルケース)
香港に旅行する場合、3泊4日の日程で1人あたり10~15万円くらいが旅費の目安です。
実際に旅行した時の費用内訳を紹介します。
【香港の旅行費用内訳】
- 飛行機代往復:45,000円
- ホテル代:32,000円 / 人(3泊料金)
- 食費:30,000円 / 人
- 交通費:4000円程度 / 人
- SIMカード代:2,000円
- 観光料:6,000円 / 人
- お土産代:20,000円
合計:139,000円
もちろん泊まる場所や食べるもので費用は変わってきますが、この予算でも香港を十分に楽しむことができます。
観光地は、お寺や食べ歩きなど入園料が必要ない場所も多いです。
ホテル代
香港のホテル代は、以下の金額が目安です。
【香港のホテル代】
- シティホテル(1人 / 泊):180~527HKD(3,500~10,000円)程度
- 中流ホテル(1人 / 泊):1,000~1,500HKD(19,000~28,700円)程度
- 高級ホテル(1人 / 泊):2,000~7,000HKD(38,200~134,000円)程度
ホテルのグレードで値段は変わってきますが、リーズナブルなホテルも沢山あります。
ホテルは基本1人の料金ではなく一部屋の料金のため、友人や家族と一緒に泊まればその分安くなります。
(誰かと一緒であれば、1泊10,000円程度で中流ホテルにも泊まれちゃうんです)
中心部から離れるほどホテル代は安くなりますが、観光のしやすさと快適さを考えると香港島内にホテルをとる事をお勧めします。
観光地の入園料
観光地の入園料は場所によって違いますが、以下のような金額を目安にしていただければと思います。
【香港の観光地の入園料例】
- ヴィクトリアピークにあるスカイテラス428の入場料(大人1人):75HKD(1,430円)
- 香港ディズニーランドのパークチケット(大人1人):639HKD(12,200円)
100万ドルの夜景が見られるヴィクトリアピークは香港旅行時には押さえておきたいスポットの1つ。
ピークタワーの屋上にある展望台スカイテラス428から見える夜景は絶景ですよ。
スカイテラス以外にも無料のピーク・ギャラリア屋上もあるため、そちらから景色を楽しむこともできます。
また、香港ディズニーランドも観光客に人気のスポットです。
パークチケットは日本とあまり変わらない値段設定ですが、東京ディズニーランドと比べて人が少なく、待ち時間があまりないので、ディズニー好きの方はぜひ行ってみてくださいね。
その他の費用
飛行機代や宿泊費の他にも、食費や交通費等がかかります。
3泊4日の旅行であれば、食費は1人2~4万円程度用意しておくと安心です。
朝食はローカル、夕食はレストランで食べるなどロケーションを変えると、地元の雰囲気も楽しめ、節約もできちゃいます。
交通費はMRTやバス、トラム(路面電車やLRTなど)を使用し、1日1,000~2,000円程度で観光地を回る事ができます。
香港には安くて便利な公共交通機関が充実しているので、うまく活用しましょう。
また、旅行中にはインターネットが必須になってきますが、空港でSIMカードを購入すれば1日600円程度から利用できます。
街中にFree Wi-Fiスポットも多くありますが、海外旅行に慣れていない方は、より快適に旅を楽しむためにもSIMカードかwifiレンタルの利用をお勧めします。
日本と比較して高いもの・安いもの
続いて、日本と比較して高いもの、安いものについて解説します。
香港は物価が高い印象が強いですが、日本と比較して安いものもあります。
割高に感じるもの、割安と感じるもの、それぞれをチェックしていきましょう。
日本と比較して高いもの
まず日本と比較し、圧倒的に高いのは住居費です。
香港は人口が密集していることと土地が狭いことに加え、政府が土地を所有して管理しているため、不動産の価格が高騰しています。
家賃は日本の2~3倍以上かかりますが、部屋は日本より狭い物件が多いです。
駐在員などで住居費が会社から支給される場合を除き、香港に移住して現地で仕事を探す場合は、住居費がネックになってくるでしょう。
また、大学の授業料も香港の方が高いです。
日本の国立大学の年間授業料は535,800円ですが、香港大学の授業料は年間42,100HKD(806,000円)となっています。
留学を考えている人にとっては、ハードルが少し高く感じるかもしれません。
日本と比較して安いもの
香港では、輸入品が安いというメリットがあります。
香港はフリーポートであるため、一部の物を除き、輸出入に関税や消費税がかかりません。
そのため、日本よりも安く輸入品やブランド物を購入できます。
日本では衣料品には7.4~20%、革製品等のバッグには8~16%の関税がかかり、購入時には10%の消費税もかかります。
ですが、香港はこれらの税金がかからないため、日本よりも10~20%程度安く購入できる事が多いです。
(PRADAやmiumiuなど女性に人気のブランド物も関税・消費税がかからずお得に購入できます)
ただ、現在は円安が進み、日本で買う値段とさほど変わらなくなってきているため、時期や為替を見て判断する必要があります。
参考:主な商品の関税率の目安
引用元:税関 Japan HP
香港での節約術(生活費を抑えるためのコツ)
「香港はやはり物価が高そうで怖い…」という方のために、とっておきの節約術を紹介します。
シェアハウスの活用
まず、見直すべきは住居費です。
支出のうち最も多い部分を占める住居費は、香港移住し、1人暮らしをするとなると30~40万円を超える事が多いです。
そのため、住居費を見直したい場合はシェアハウスも検討しましょう。
街中でもシェアハウスの1ルームに住めば5,500HKD(105,000万円)程度で部屋を見つけることもできます。
トイレやシャワールームは簡易的な物か、他の同居人とシェアする形になりますが、住居費を大きく抑える事ができます。
また、郊外に住めば住居費の相場は下がるので、どこに住むかも検討したい内容の一つです。
市場での買い物
加えて、住居費の次に支出が多いのは食費です。
日本人はスーパーで食材を購入する事が多いですが、香港での生活に慣れてきたら市場で買い物してみましょう。
言語的な問題で中々ハードルが高いと思われる方もいると思いますが、スーパーに比べて安く野菜や果物を購入できるのでおすすめです。
香港の物価の現状(2024年も値上げ予想?)
香港の消費者物価指数をみると、2000年が70.90、2023年は103.34となっており、年々上昇傾向であることが分かります。
品目別に見ると、酒・たばこ(19.2%上昇)が突出して伸びており、衣類・履物(4.0%)、各種サービス(3.2%)、食品は2.3%の上昇率となっていました。
香港では家賃が突出して高いため、外国人に最も生活費の高い都市の上位とも言われています。
スーパーでの買い物や、交通料金などは日本とあまり変わらない金額ですが、今後も物価が上がっていき、日本と差が開く可能性もあるでしょう。
日本と香港の所得比較
最後に日本と香港の所得の違いを見ていきます。
物価とともに所得を知ることで、生活水準が見えてきます。
平均所得
香港の平均所得は、月額18,279HKD(約350,000円)です。
日本の平均所得は月額320,000円程度のため、香港の方がやや高い結果となりました。
香港の所得データを見ると、男女差があり、女性が月額15,300HKD(約293,000円)、男性が月額21,000HKD(約402,000円)となっています。
労働時間は1日8時間と日本と同じですが、月の平均労働日数は25~26日と休日は少ないです。
最低賃金
香港の最低賃金は1時間 / 40HKD(約765円)、最低月額賃金は16,300HKD(約312,000円)と定められています。
(香港政府は2023年5月1日に、香港の最低賃金を時給40HKDに引き上げました)
日本の最低賃金は全国平均1,004円、一番低い岩手県で893円のため、現段階の時間単価では日本の方がやや高いことが分かります。
香港では最低賃金の金額の見直しを2年に1回行う事が決まっており、年々上がっているため、日本と差がなくなる可能性も高いでしょう。
大卒初任給
香港の大学新卒者の平均年収は300,000HKD(5,740,000円)となっています。
このデータは大学教育資助委員会(UGC)が出したもので、市内の8つの公的資金で運営されている大学卒業者の平均年収をまとめたものです。
香港で最もレベルの高い香港大学の新卒者の平均年収は、370,000HKD(7,080,000円)でした。
大学初任給の金額は2021年から7.8%増加しています。
厚生労働省の統計によると、日本の新卒者の平均月収は232,500円のため、大卒の初任給においては香港が大きく上回る結果となりました。
参考記事:大卒者の初任給中央値1万7500ドル
引用元:香港ポスト
参考記事:香港の大学の新卒年収30万香港ドル(553万円)超え
引用元:香港BS
香港生活費のキーとなるのは家賃
今回は、香港の生活費について項目別に解説しました。
物価が高い印象がある香港ですが、実際は家賃を除けば日本とあまり変わらない項目が多いんです。
なので、香港生活に憧れる人は、ルームシェアや会社負担の物件など、家賃の安い物件を探してみるのが良いでしょう。
香港は活気があり、魅力ある国の1つなので、まずは実際に訪れてみて住める国かをチェックしてみましょう。
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